全国の古民家

全国にはそれぞれの地方独特の特徴を持った古民家が残っています。そして、一部の特徴は驚くぐらい全国各地に伝搬していたりしていてそれはそれで驚きでもあります。

 

このページは不定期ですが全国各地の古民家の特徴を掲載していきます(地域の古民家がその地域の特徴を持ったものが全てではありません。さまざまな形状や形態の古民家が各地域にはございます。おおまかな特徴的な古民家をピックアップしたとお考え下さい)

北海道 チセ

写真 アイヌ民族博物館ホームページ
写真 アイヌ民族博物館ホームページ

チセは、北海道や千島列島、樺太の先住民族であるアイヌの伝統的な古民家で、周辺の山林から得られるエゾマツ、トドマツなどの木を素材とし、掘立柱を地面に立て、柱と梁を組んで屋根を支えた寄棟の掘立柱建物の簡素な住宅です。

 

 

 

 

アイヌとは、日本とロシアにまたがる北方先住民族で、2006年の調査では北海道に約2万3千人の方がいらっしゃいます。

 

アイヌとはアイヌ語で「人間」を意味する言葉で、もともとは自然界の全てのものに心があるという精神に基づいて自然を指す呼称「カムイ」に対する概念としての「人間」という意味であったとされ、アイヌ民族は文字を持たず、ユーカラという叙事詩が口承で代々伝えられてきました。 


写真はアイヌ民族博物館ホームページから転記させて頂きました。

http://www.ainu-museum.or.jp/info/map.html#sauncise

北海道 ニシン番屋

写真Wikipedia 北海道札幌市厚別区の「開拓の村」に移築された鰊御殿「旧青山家」 @タクナワン
写真Wikipedia 北海道札幌市厚別区の「開拓の村」に移築された鰊御殿「旧青山家」 @タクナワン

1700年代に入ると、アイヌとの交易に加え、ニシン、鮭、昆布などの交易が活発となり、江戸時代から明治時代にかけて活躍した主に買積み廻船の北前船(きたまえぶね)が当初は西廻りと呼ばれるである対馬海流に抗して、北陸以北の日本海沿岸諸港から下関を経由して瀬戸内海の大坂に向かう航路に加え、7月頃に蝦夷を出て11月頃に大阪に到着する航路も開かれこれらの特産物が運ばれた。

北前船の往来は周辺地域に大きな影響を与え、冬の間の農閑期を利用した副業により各地域の工業化で、需要が高まるにつれ、商品が優先的効率的に生産され、また各港に造船基地が発生し、周辺地域にも流通面を超えた影響を及ぼした。また寄港地周辺では近畿の文化が伝わり、言葉・食文化等に影響がみられ、本州日本海側における文化の伝播役としての役割があった。

 

昭和に入り第二次世界大戦前の大戦景気により、ニシン漁で財を成した網元が競って建てたのがニシン御殿と呼ばれる家屋である。ニシン番屋とも呼ばれ、具体的な定義はなされていないが、特徴とすれば上座敷に違い棚、床柱に黒檀を使用したものが多かったようであるが、現存している物のなかに条件を満たすものは数少ない。御殿と称されたのは本州からケヤキなどを運び、廊下に生漆を施し、欄間なども兼ね備えた豪華な物が多い為である。多くの建物は平屋形式で、屋根には瓦が葺かれていました。

岩手 曲り家

日本民家集落博物館にて撮影
日本民家集落博物館にて撮影

岩手県の古民家は曲がり家(まがりや)と呼ばれます。曲がりの部分には厩(うまや)があり、居室の部分と馬屋を直角にした全体がL字形の間取りになっています。一般的には東側が台所で、南側に馬屋が突出するように建てられます。

 

 

馬屋の屋根にはかまどや炉で焚いた煙を排出するための入母屋の屋根になっていて、このため屋根裏の乾し草を乾かすことができます。

 

秋田 中門造り

中門造り住宅「清水庵」
中門造り住宅「清水庵」

中門造は北陸から東北地方日本海沿岸に見られる形式で、入口が厩(うまや)の先(妻入り)にあり、中門口と呼ばれ厩が通路になっている古民家です。

 

主棟から棟をかえて突出するL字型の茅葺の民家で、主に前面に突出する前中門(厩中門)と背面に突出する後中門の2種類があります。 曲り屋の突出部が厩だけであるのに対し、

 

中門造りの突出部は厩、作業場、便所、出入り口、主棟への通路など多くの用途で使われ、 後ろに突出する場合は寝室や流しになる事が多い。

 

また突出部の屋根形式も入母屋、切妻、寄棟、かぶと風と様々である 。

宮城 長屋門

写真Wikipedia 柏原陣屋跡の柏原藩織田家旧邸長屋門(1714年建築)、撮影地-兵庫県丹波市柏原町),撮影者-663highland,撮影日-2006年5月4日
写真Wikipedia 柏原陣屋跡の柏原藩織田家旧邸長屋門(1714年建築)、撮影地-兵庫県丹波市柏原町),撮影者-663highland,撮影日-2006年5月4日

長屋門は近世諸大名の武家屋敷門として発生した形式で、江戸時代に多く建てられた。江戸後期になると郷村武士の家格をもつ家や、苗字帯刀を許された富裕な農家・庄屋でも長屋門は作られ、更に明治以後は他の富農の家屋敷にも作られるようになった。

 

 

 

 

宮城県栗原市には、平成21年時点で594軒の日本最多の長屋門が現存している。当初は茅葺屋根だったが、戦後に瓦に葺き替えられたという。この長屋門の形式は松山市内でも数多く現存しています。

埼玉県 川越の街並み

川越に残る蔵造りの町並みは重要伝統的建造物群保存地区に選定、美しい日本の歴史的風土100選にも選ばれている類焼を防ぐための巧妙な耐火建築で、江戸の町家形式として発達したものです。

 

クラという字は通常は倉という漢字が使われますが、川越の街並みは蔵という字が当てられています。川越では幾度かの大火を経験し、一般の町屋も全て土蔵造りになっており、土壁で黒塗りの壁、大きな鬼瓦のどっしりとした重厚感のある蔵造りの建物が軒を連ねる姿は圧巻です。電線も地中化されており多くの人で賑わっています。

北関東 かぶと造り

写真Wikipedia 兜造りの古民家 @fitm
写真Wikipedia 兜造りの古民家 @fitm

北関東などに分布する造りで寄せ棟造りの形式。

 

屋根裏で養蚕をおこなうため、屋根裏に日があたるよう妻の部分の屋根を切り上げ壁面に開口部をもうけ、この切り上げ破風の部分が兜に似ているのでそう呼ばれる。

 

基本的には寄棟造あるいは入母屋造の屋根のうち、妻側の屋根を切り上げた形式で、東日本各地に分布する

                  

めずらしい例では妻側ではなく平側を切り上げた形式もあり、こちらは「平兜造り(ひらかぶとづくり)」と呼ばれます。

長野 本棟造り

写真Wikipedia 馬場家住宅主屋、長野県松本市、1851年 @Wiiii
写真Wikipedia 馬場家住宅主屋、長野県松本市、1851年 @Wiiii

本棟造りは長野県松本盆地から伊那谷にかけて分布する民家の形式で板葺きの大きな切り妻屋根をもち妻側に出入り口があり妻の部分には大きな破風を付け妻の壁に出格子窓などを持っています。

 

 

 

 

 

切妻屋根の端に破風板を二段重ねに打って、板葺の厚みに対処するようにし、その頂点に大きな「雀おどり」と呼ばれる棟飾りを付けているのが特徴です。

富山 アズマダチ

写真 となみ散居村ミュージアム
写真 となみ散居村ミュージアム

アズマとは東のこと。この地域の建物は立山からの風を受けるため玄関が東に向けて建てられています。またワクノウチと呼ばれる広間の架構構造があります。上大黒柱と下大黒柱の間にウシと呼ばれる横梁を渡し、この上にハリマモンという縦梁を直行させさらにハリヤスミを1間スパンで配置して作られる天井の高い空間でケヤキやスギ、アテ、マツ等が贅沢に使われ漆塗りの仕上げとなります。

またこの地方はカイニョと呼ばれる屋敷林が作られます。

イラスト-となみ散居村ミュージアムの資料より転記
イラスト-となみ散居村ミュージアムの資料より転記

岐阜 合掌造り

写真Wikipedia 白川郷の合掌造り集落(荻町), 岐阜県白川村 @663highland
写真Wikipedia 白川郷の合掌造り集落(荻町), 岐阜県白川村 @663highland

掌造りの定義は明確ではないが、日本政府が白川郷と五箇山の集落をユネスコの世界遺産に推薦した時には、

 

「小屋内を積極的に利用するために、叉首(さす)構造の切妻造り屋根とした茅葺きの家屋」と定義づけた。

 

名称の由来は、掌を合わせたように三角形に組む丸太組みを「合掌」と呼ぶことから来たと推測され現存する合掌造りの屋根は45度から60度の急勾配の屋根を持っています。同じ白川郷(荘白川)でも、高山市の旧荘川村地域に残る合掌造りは、入母屋屋根になっています。

 

従来の古民家使われる和小屋が棟木や母屋を下から鉛直方向に支えるのに対し、合掌造りでは両側から「人」の字形に寄りかかった部材が棟木の点で交差する形状となっている。これは一般に叉首構造と呼ばれ、トラス構造であり、梁材に与える曲げモーメントを低減し、引張力に集中させるという点で、木材の性質上、優れた構造であるとされます。

写真Wikipedia 富山県南砺市(旧平村) 越中五箇山 相倉合掌集落 3階屋根裏の構造 @ja:User:Minque
写真Wikipedia 富山県南砺市(旧平村) 越中五箇山 相倉合掌集落 3階屋根裏の構造 @ja:User:Minque

滋賀 湖北民家

日本民家集落博物館にて撮影
日本民家集落博物館にて撮影

湖北型は妻入の伊香型と平入の大浦型に分類され、「オエ」・「オイエ」・「ダイドコロ」・「ニュウジ」と呼ばれるイロリをもった10畳以上の大きな広間の存在が特色です。

 

この広間部分は奥の畳敷の床より20cm以上低く、下部をたたきで固めその上に籾殻を10~15cmの厚さに敷き、さらにその上にムシロを敷いていた土間の延長的な地床住居(土座・地面)的部屋であり、冬季の地温による保温の良さを長所としていました。

京町家

京都に建てられる住宅は京町家(きょうまちや、きょうちょうか)と呼ばれ、主に職住一体型の住居の形式であり、店舗併用住宅なら京町屋、住居なら京町家と表記されることが多いようです。町屋は昔は店屋と書いて「まちや」と読んでいたものが変化したとされ、住居を指す「町家」という語は比較的新しく、昭和初期まで町家(ちょういえ)とは町の集会所のことを指していました。


町屋(まちや)は、町人が住む住宅で、つまり、農家に対し商業や工業を営むための都市住宅です。町家(まちや、ちょうか)ともいい、特に商いの場を兼ねた町屋は商家(しょうか)と呼ばれます。宿場における街並みは宿場町と呼ばれ、城下においては城下町と呼ばれてきました。


建物屋根の棟に対して直角に切り下ろした妻側を妻といい、対して棟と並行する側を平(ひら)と呼び、平入と呼ばれる道路側に軒先と棟を平行させた平入の建物が多く、中世以降平屋で板葺き切妻屋根に土壁の家屋が建てられ、江戸初期には、厨子二階(つしにかい)と呼ばれる低い2階建てに袖卯建(そでうだつ)を上げた家屋が一般的になりました。


現在多く残されている瓦葺き、漆喰塗籠めの壁を持つ町屋は1600年代末に現れました。厨子二階は、街道沿いに建てられた町屋の表に造られ、大名の往来を上から見下ろすことが失礼に当たるということから居間としてではなく物置として使うことが許され、明治以降は、現在の家屋と同じ天井高の2階建て住宅が表通りにも建てられるようになり、京都などでは三階建の町屋なども建てられるようになりました。

 

鍾馗(しょうき)さん

鍾馗は、中国の民間伝承の道教系の神様。日本では、疱瘡(天然痘)除けや学業成就に効きめがあるとされ、端午の節句に絵や人形を奉納したりします。また、魔よけにもなると、旗、屏風、掛け軸として飾ったり、屋根の上に鍾馗の像を載せたりします。鍾馗の図像は必ず長い髭を蓄え、中国の官人の衣装を着て剣を持ち、大きな眼で何かを睨みつけている姿です。地元ではしょうきさんと呼ばれて親しみを持たれているようで、沖縄のシーサーと似ていますね…

奈良 大和棟

写真Wikipedia 重要文化財指定 大阪府羽曳野市 吉村家住宅 @文化庁HPから転載
写真Wikipedia 重要文化財指定 大阪府羽曳野市 吉村家住宅 @文化庁HPから転載

奈良、大阪の南部などで見られる大和棟は主屋は切り妻造で中央部を急な屋根勾配の茅葺きとし両妻に瓦を乗せる造りの民家。

 

 

切妻の草葺と屋根瓦が組み合わせられており、洗練された切妻の白い漆喰壁と屋根の対象性が美しいのが特徴。棟の高い部分が主屋で低い部分が釜屋(くどや土間)で構成されている。大和棟(やまとむね)又は高塀造(たかへいづくり)と呼ばれる。大阪門真にある吉村家は、江戸時代は丹北、八上の2郡38ヶ村の大庄屋で、桃山時代の書院造りの様式をとどめている。白壁の柱、格子、など大和棟の端正な美しさを持っている。

 

香川 四方ぶた造

徳島県 旧永井家庄屋屋敷
徳島県 旧永井家庄屋屋敷

茅葺寄棟造り屋根の四方に、本瓦葺の広い庇を付けた民家屋根の形式。正面(南側)に馬場があり長大な茅葺午門の後方を屋敷地とし、ほぼ中央に主屋があり、その後方に米蔵、土蔵が建っている。

 

主屋は横長のな建物で、梁間の狭い茅葺寄棟造り屋根の四方に本瓦葺の広い庇を付けた作りで、棟上に本瓦葺の煙出しがある外観と、内部の広大な土間に特徴がある。平面は、基本的には土間と2列3室からなる六間取りで、土間の部屋側に幅1間半の板敷などがあります。

島根 そり棟

写真はこちらから転記させて頂きました。http://www.geocities.jp/minkatofudo/minka/chugoku/shimane1.html
写真はこちらから転記させて頂きました。http://www.geocities.jp/minkatofudo/minka/chugoku/shimane1.html

屋根の棟の部分に藁や茅を積み上げて極端に棟を反り返っているのが出雲地方の特徴で「反り棟」と呼ばれます。

 

この地方は風が強い為に少しでも風圧を少なくする為、若しくは神社の鳥居の形に似せたのかは不明ですが、敷地内には冬の西風を防ぐ防風林の築地松が植えられている事が多く、反り棟の整然とした美しさがある。南部の奥出雲へいくと、棟の反りが緩くなる。

 

山口 箱棟

旧松澤家住宅 附 倉屋 東京都北区指定有形文化財(建造物) 平成11年3月31日指定 http://www.city.kita.tokyo.jp/misc/history/history/da40.htm
旧松澤家住宅 附 倉屋 東京都北区指定有形文化財(建造物) 平成11年3月31日指定 http://www.city.kita.tokyo.jp/misc/history/history/da40.htm

箱棟とは棟を板で箱状に木組みし、外側にだけ熨斗瓦を葺いて、屋根重量を軽減する手法で、山口県の熊毛地方一帯には、箱棟が入母屋造りになっている寄棟造りの民家があります。ただし、棟に瓦屋根が付いてるかといって箱棟とは限らず、見分けるのは困難です。

佐賀 くど造

森家・川打家住宅 http://hasamiooen.fc2web.com/2011-report-76.html
森家・川打家住宅 http://hasamiooen.fc2web.com/2011-report-76.html

佐賀県平野部に見られる民家の形式、草葺きの棟がU字形をなしたものでかまどのある土間の棟を、主屋と別棟に建築するものがある。川打家住宅は伊万里と多久を結ぶ旧街道に面した住宅で、屋根の形が「くど」(かまど)に似ていることから、一般にくど造りといわれ、佐賀県南部に広く分布する典型的な民家である

鹿児島 二棟式

写真Wikipedia 二階堂家住宅@ja:User:Sanjo
写真Wikipedia 二階堂家住宅@ja:User:Sanjo

二棟造はオモテ、ナカエと呼ばれる二つの棟を一家屋として使う形式で、「はれ」(公開の、儀礼的な)部分と「け」(日常の、私的な)を分けています。太平洋沿岸の四国、東海から沖縄迄分布していますが、多くは高床と土間の組み合わせだが、鹿児島の場合は二つの棟とも高床式で、床をつなぐ場合には段差を設けて接続されます。

熊本 鍵屋型

熊本の人吉盆地は周りを山に囲まれ、中世以来この地を領する相良家の下で独特の建築文化が醸成された土地で土間部分が前に突出する鍵屋造と呼ばれる。二棟造の系統から鍵屋造へと発展したと考えられている。通常の民家では「田の字型」として部屋が縦横に並ぶ形態が一般的であるが、例外的に山間部などでは敷地が広く取れない関係上、横一列に並ぶことがある。しかし鍵屋造は平野部においてはL時型となる珍しい形態です。

 

沖縄の古民家

琉球王国時代に入り身分により家屋の大きさが定められ、農家は12坪の母屋と6坪の台所と定められ瓦葺きなどは許されていませんでした。制限令が解除され貫木屋(ヌチジヤー)と呼ばれる形式の住居が普及されてきました。

 

これは礎石の上に四角い柱を立て、貫穴をあけて貫を通した構造で、和小屋に茅か瓦葺き、壁は堅羽目板のいわゆる石場建て様式と同じ構造です。

 

戦後は台風などに強いコンクリート住宅が一般的であり、沖縄では木造住宅を建てる方が建築費は高いとされ木造住宅が少なくなっています。沖縄の現存している古民家を見ると、貫木屋構造で屋根は寄せ棟になっています。

 

屋根には赤瓦と呼ばれる素焼きの瓦が使われ、台風の強風でも瓦が飛ばないように瓦同士は漆喰で塗固められ、沖縄の特徴的な屋根になっています。皆さんがお土産で買って帰るシーサーは獅子の沖縄方言で神社にある狛犬などと同じく古代オリエントのライオンか犬が紀元とされる伝説の獣の像で建物の門や屋根の上などに悪霊を祓う魔除けとして造られます。屋根の上にこのシーサーが置かれるようになったのは明治以降貫木屋の普及で瓦屋根が一般に許されるようになってからだそうです。

 

間取りは基本的に南向きに建てられおり、東から一番座として床の間が、二番座には仏壇が配置されるのが普通で、裏座と呼ばれる北側には地炉(ジール)が設けられます。台所は西側に作り、カマドが設けられています。別棟はアジャキと呼ばれ、フールと呼ばれる豚小屋とトイレも別棟で設けられます。敷地は石垣で囲われています。

 

住宅に使う木材はチャーギと呼ばれるイヌマキがよく使われ、チャーギは耐久性が高く強度がある優れた建築材料ですが、成長が遅く大径材がとりにくいという難点もあります。また木材を長持ちさせる為にスーカンと呼ばれる海岸で半年から1年ぐらい砂浜に木材を埋めて潮干をする方法なども用いられました。スーカンをおこなう事で材が堅くなり防虫の効果があるようです。現在沖縄で木造が建てられる場合には杉が使われる事が多く、これらの木材は九州から主に運ばれているそうです。古民家が長持ちするのは構造材に地元で育った木材が使われる事だと思います。沖縄でもチャーギを使った木造住宅が復活してほしいと思います。

 

*沖縄の古民家の歴史についてはこちらのサイトを参考にさせて頂きました。

沖縄古民家.com http://www.pref.okinawa.jp/kominka/index.html

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