新築を建てる際に必要な手続きに、建築確認申請と共にかし保険への加入が義務付けられています。自宅も無論かし保険へ入ります。
かし保険をかける会社は何社かありますが、私は古民家でお付き合いいただいている株式会社住宅保証機構さんにお願いしています。
かし保険は、
・建設業の許可が不要である事業者が行う軽微な建設工事により建設される住宅
・宅建業者が他の保険契約を締結しない分譲住宅について、その建設工事を請負う建設業者を請負人とし宅建業者を発注者として建設される住宅
・宅建業者による個人施行による再開発事業等により建設される住宅
・住宅瑕疵担保責任保険申込住宅で建設工事完了の日から1年超2年以内に引き渡される一戸建住宅に
保険をかけることが義務付けられており、つまり新しく建てられる住宅には必ず必要となります。
保障の対象は、住宅品質確保法に定める構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分の瑕疵によって、住宅の基本的な耐力性能または防水性能を満たさない場合に、住宅事業者が住宅取得者に対し瑕疵担保責任を負担することによって被る損害について、保険金が出ます。
わかりにくいですが、保険金は所有者でなく、保険に加入した施工者におります。施工者が倒産等により補修ができない場合には所有者におります。
私の場合は自身で保険をかけることは依頼された家であれば可能ですが、今回は建築主であり、施工者なので保険をかけるにあたって必要な所有者と施工者の間の契約が存在しません。そこで、今回は大部分の施工をお願いしている大工さんに契約してもらいました。
木造住宅の場合の流れは着工前に申し込みをおこない、
基礎の配筋検査と、
屋根工事完了時から内装下地張り直前の工事完了時までの間構造材の金物の検査が必要です。
基礎の配筋検査は既に済ましており、来週火曜日に次の検査を行う予定です。
検査の項目としては、屋根の仕上がりと、構造部分では土台の設置方法、基礎への緊結方法、柱の小径や切り欠きの有無、隅柱が通し柱かどうかや、筋交い、火打ちや小屋組などと共に各接合部の金物類の確認がされます。
金物の取付場所は私が指示しています。検査の日程で立会いができないので、本日金物の取付状態について確認してきました。金物は私はあまり好きではありませんがつけないのは建築基準法違反になりますので金物は使っています(厳密には違反ではありませんが、金物を使わなくても大丈夫という証明が難しく現実的でない)。金物の配置方法には建設省告知に基づいて配置する方法と、N値計算に基づいて配置する二つの方法があります。私は金物を少なくできるN値に基づいて配置します。
木材と金物は相性が悪いと思います。金物は結露します。結露して金物表面にできた水滴は木に染み込みます。長い期間これが繰り返されると木材を腐朽させる原因になるのではと思います。特に最近の大壁の住宅ではそうだと思います。
これは追い掛け大栓継ぎ、梁をつなぐ際に用いられる接ぎ手です。かし保険の検査項目にはなかったと思いますが、家が長持ちするか、地震に強いかどうかはこんな見えないところに入れた大工の手間によって差がつくんだと思います。
住宅保障機構株式会社さんは我々の団体一般社団法人全国古民家再生協会の再築基準を用いて施工すれば石場建て基礎の古民家のリフォームかし保険を引き受けていただいています。
それ以外の一般的な伝統構法での対応についてもHPで少しだけ解説ページがありますので参考にご覧下さい。