基礎工事にかかる前に必要な検査として地盤調査があります。
地面をロッドと呼ばれる鉄の大きな針を回転させながら突き刺して行くスウェーデン式サウンディング試験が一般的には採用されます。
スウェーデン式サウンディング試験は、北欧のスウェーデン国有鉄道が1917年頃に不良路盤の実態調査として採用し、その後スカンジナビア諸国で広く普及した調査を、1954年頃建設省が堤防の地盤調査として導入したのが始まりで、1976年にはJIS規格に制定され、現在ではJISA1221(2002)として戸建住宅向けの地盤調査のほとんどがこの試験方法によって実施されています。
原則として1宅地で建物四隅と中心部の5箇所以上深度10mぐらいまでの測定を行います。
ロッドを貫入させ「シャリシャリ」「ジャリジャリ」「ガリガリ」という音で「砂質土」「礫質土」などの土質を分類し、地耐力を測定し基礎の形状を決めます。地耐力が弱い場合には地盤改良工事が必要になります。
通常分譲地の場合には古い田んぼや畑の土が残されたまま埋め立てられた場合には、槌野固め方が不十分だったり、古い土が粘土質のためにネックとなって地盤改良をしなければならないことが多いのですが、今回の測定結果は良好。地盤改良はしないこととしました。
地盤改良は60万ぐらい(建物大きさと方法により異なる)かかるので、それが浮いたのはすごく助かります。
地盤調査の結果を受けて、計画通り基礎工事が始まりました。
はじめに建物外周部分を掘り下げて、捨てコンクリートを打ちます。基礎の底盤に流すこコンクリートが溢れないように建てる型枠を固定するために必要です。建物下部は砕石を引いて周囲より高くしています。引いているビニールは防湿シートと呼ばれる地面の湿気を上げないようにするためのものです。
周囲に型枠を組んで鉄筋を入れて底盤のコンクリートを流し込みます。
定番のコンクリートが固まれば、更に建物内部の基礎の立ち上がりを型枠を組んで作っていきます。基礎立ち上がりには鉄筋と共に、土台や柱を緊結するためのアンカーボルトやホールダウン金物なども埋め込みます。
通常の2階建は基礎の立ち上がりの幅は12cmで作られることが多いのですが、
今回は15cmで作っています。幅が太いほどしっかりと建物の荷重を支えることができます。
これは換気口の部分、床下が湿気で木材が腐らないようように、シロアリがつかないように床下は通気をよくする必要があります。
基礎パッキンと呼ばれる基礎と土台の間を透かすやり方もありますが、両方のやり方を行ってみて現在はこの換気口を採用しています。こちらの方がやっぱり換気はいい気がします。
型枠内にコンクリートを打ち、最後にレベラーと呼ばれるものを流し込みます。これは水平に流れて固まる材料です。
排水管の通る部分はこのように一部を切りかく形で配管しています。
玄関のポーチ部分などは最後に作ります。