にじり口とは、縦2尺2寸、横2尺5分の入り口の外側に縦2尺1寸8分(654)、横が2尺3寸(696)の引戸をつける小さな茶室への出入り口で、
千利休が草庵茶室・待庵に設けた小さな入り口がはじまりと言われています。
男性も頭を垂れて伏してにじりながらでないと入れない大きさで、武士の時代には刀を腰につけているとくぐれないのでにじり口の外部に刀を置いておく場所がありました。頭を下げて茶室に入ることで身分の差がなくなるとと共に、小さな入り口を潜ることで茶室をより一層魅力的にも見せてくれます。
千利休の精神的、思想的な目的がもっとも表現されているところかもしれません。身分の差を無くして茶室の中では平等であり、人としてのコミニュケーションを紡ぐ場所、それが茶の道であると教えていただいている気がします。
茶室の外壁に挟み鴨居と挟み敷居という方法で付けられる引戸になります。杉の木を使って作られ板目の板2枚とその板の約半分の柾目の2枚半を裏に桟を打ちつけています。にじり口の上部には下地窓や連子窓などの灯りとりが造られます。
鍵は通常は写真のような簡易的なものになります。
住宅で茶室を造られる際には写真のようにアルミサッシの室内側に造られると防犯上も安心です。
アルミサッシの内側ににじり口をつける場合にはサッシのレールを隠してカバーするレールカバーもお造りしています。
*アルミサッシの内側に納めるために寸法は変更しています。